「エアコンの買い替えなんて、本体を選んで工事を頼むだけだろう」——大抵はこんな感じだと思います。
ところが実際に動き出してみると、古いアパートならではの思わぬ落とし穴が。エアコン専用コンセントがないという問題。家電量販店もホームセンターも、専用コンセントがなければ工事を受け付けないという。購入候補まで絞り込んでいたのに、そこで話がストップしまう。
この記事では、私が実際に複数の店舗を回りながら感じた価格差や接客の違い、専用コンセント問題の対処法、そして長年使ってきたお掃除機能付きエアコンへの率直な感想まで、体験をもとにまとめました。同じような状況で悩んでいる方の参考になれば幸いです。
経緯:どのように店を回ったか
買い替えを決めたきっかけ
現在使っているエアコンは購入から9年目。この間に3回故障しており、そろそろ限界を感じていた。加えて、来年以降は安いエアコンの流通が減るという情報を耳にし、買い替えを決意しました。
今住んでいるアパートは6〜8年後に解体が決まっています。そのため、高価なエアコンを購入して将来的に移設するよりも、つなぎとして安いエアコンで乗り切るという方針で検討を始める。
まずヤマダ電機へ
現在使っているエアコンはヤマダ電機で購入したものだったため、今回も同じヤマダ電機から検討を始める。近所の店舗に足を運び、エアコンを実際に見て回った。
しかしこの時の接客が、今までで経験したことのないほど残念なものだった。大手家電量販店の接客に残念な思いをしたことで、ヤマダ電機での購入意欲は大きく下がる。
他の大手家電量販店も確認
ヤマダ電機だけでなく、他の大手家電量販店(コジマ×ビックカメラ、ノジマ)も見て回った。価格や品揃えを一通り確認したが、全体的に価格帯は大手家電量販店同士で大きな差は感じられなかった。
ホームセンターへ足を運ぶ
大手家電量販店を一通り見た後、試しにホームセンターも見てみることにした。訪問したのはビバホーム、コーナン、ユニディの3店舗。
結果として、ホームセンターのほうが家電量販店より安かった。しかも海外メーカーだけでなく、国内メーカーのエアコンでも価格差は明らかだった。この時点で、大手家電量販店での購入はやめようと決める。
3店舗を比較した印象は以下の通り
ビバホーム・ロイヤルホームセンターは機種の選択肢が少なく、自宅への取り付けに適した機種が見当たらなかったため、早い段階で候補から外れた。
コーナンは品揃えはやや少なめだが、価格は安い。接客も親切で、こちらの状況をできる限り丁寧に聞いてくれたうえで、わかる範囲で詳しく費用を計算してくれた。
ユニディは品揃えが圧倒的に多く、大手家電量販店に匹敵するほどのラインナップがあった。接客は特に印象的で、その場でわかることはすべて詳細に計算してくれる丁寧な対応だった。さらにちょうどこの時期、取り付け・取り外し工事費の半額分を楽天ポイントで還元するキャンペーンを実施しており、実質的な工事費が大幅に安くなるタイミングだった。専用コンセントさえあれば、迷わずユニディで購入しようと思えるほどの内容だった。
この時点で購入候補をユニディとコーナンの2店舗に絞った。
専用コンセント問題が発覚
ここで大きな問題が浮上した。今住んでいるアパートは築年数が非常に古く、エアコン専用コンセントが設置されていない。
家電量販店もホームセンターも、法的拘束力はないものの専用コンセントがない場合は工事を行わない方針とのことだった。2017年に設置した時には何も指摘がなかっただけに、完全に想定外の問題だった。
専用コンセントの増設工事費についても、2店舗で差があることがわかった。
• ユニディ:増設工事費の最低料金は約2.7万円。ただし現地確認後に追加費用が発生する可能性あり。一方で、事前に現地確認と見積もりを行うことができ、工事不可の場合もキャンセル料は発生しない。
• コーナン:増設工事費の最低料金は約1.5万円。こちらも現地の状況によって追加費用が発生する可能性あり。ただし事前の現地確認・見積もりには対応しておらず、当日に工事不可となった場合はキャンセル料が発生する。
最低料金だけ見ればコーナンのほうが安いが、事前見積もりができないリスクを考えると単純に比較できない状況だった。
家電量販店・ホームセンターをいったん保留に
専用コンセントの増設工事は費用もかかるうえ、アパートが6〜8年後に解体されることを考えると、工事費をかけること自体がもったいないと感じた。
そこで、専用コンセントがなくても対応してくれる街の電気屋に相談する方向に切り替えた。複数の電器店に見積もりを依頼した結果、工事費込みの総額がホームセンターでコンセント増設なしの価格と大差ない水準で対応してくれる店舗を見つけることができた。
長期保証については、今回検討した各店舗の状況を確認したところ以下のようになっていた。
• ユニディ:店頭では5年保証の案内のみだったが、来店して確認すると5年以上の有料長期保証プランも用意されていた。
• コーナン:5年、10年の有料の長期保証制度あり。
• 最終購入先:損保ワランティによる有料長期保証制度があり、10年プランへの加入も可能だった。
最終的には、工事費込みのトータル金額・専用コンセントへの対応・長期保証の内容を総合的に判断して後記の街の電気屋さんで購入しました。
お掃除機能付きエアコンはカビ臭さを防げない
「お掃除機能付きエアコン」と聞くと、エアコン内部まで自動で清潔に保ってくれるイメージを持つ人も多いはず。しかし実際には、お掃除機能はエアコン内部のカビ臭さを防ぐことができない。
これは私自身が長年使用して実感していることです。お掃除機能付きエアコンを使っていても、数年たてばカビ臭くなってくる。その理由を知ってからは、お掃除機能への見方が大きく変わる。
お掃除機能はフィルターのみでフィンの汚れは取れない
お掃除機能が自動で行うのは、あくまでもフィルターの掃除だけ。
エアコンのカビ臭さの主な原因は、熱交換器(フィン)に付着した汚れやカビ。フィンはフィルターの奥にある部品で、お掃除機能ではここまで対応できない。フィルターがきれいでも、フィンが汚れていればカビ臭さは発生し続ける。
カビ臭さを根本的に解決するには、業者による分解清掃(エアコンクリーニング)が必要だ。お掃除機能を過信して分解清掃を後回しにするのは避けたほうがいい。実際、私もこれまで数回、業者に分解清掃を依頼している。
分解清掃はお掃除機能付きだと費用が高くなる
業者に分解清掃を依頼する場合、お掃除機能が付いていると通常より5,000円程度高くなるのが一般的。
お掃除機能があると内部構造が複雑になるため、分解・組み立てに手間がかかる。結果として作業費が上乗せされる。
つまりお掃除機能付きエアコンは、分解清掃費用が高くなるにもかかわらず、カビ臭さは防げないという状況になる。メンテナンスコストの観点から考えると、お掃除機能はコストアップになる余計な機能。購入時には、この点もふまえて判断した方が良いです。
古いアパートのエアコン取り付けに専用コンセントは必須か
エアコンを新しく取り付ける際、見落としがちなのが専用コンセントの有無
もの凄く古い建物では、エアコン専用コンセントが設置されていないケースが珍しくない。法的拘束力はないものの、家電量販店やホームセンターの多くは、専用コンセントがない状態ではエアコンの取り付け工事を行わない方針をとっていた。
私もこの問題に直面した一人。現在住んでいるアパートは築年数がかなり経っており、専用コンセントが存在しなかった。以前エアコンを設置した際には何も指摘されなかったため、完全に盲点だった。いざ買い替えを検討し始めて初めて、この問題が浮上してきた。
古い建物に住んでいる方は、エアコン購入を検討する前に、まず専用コンセントがあるかどうかを確認することを強くすすめます。
専用コンセントがない場合の増設工事費の相場
専用コンセントがない場合、増設工事が必要に。その費用は業者によって差がある。
今回、複数の業者に確認したところ、最低料金だけで1.5万円〜2.7万円程度の開きがあった。さらにこれはあくまで最低料金であり、実際には現地の状況によって追加費用が発生することがほとんど。ホームセンターのスタッフさんからも、この価格はベースの価格で現場で必要な費用が加算されるということは念を押される。
配線の引き回し距離や、壁の構造、分電盤の空き状況によって金額は大きく変わる。事前に提示された金額がそのまま最終金額になるとは限らないという点を、頭に入れておく必要がある。
増設工事費は現地見積もりで金額が上がる前提で考える
専用コンセントの増設工事を依頼する場合、提示された最低料金はあくまでも目安に過ぎない。
現地を実際に確認しないとわからない要素が多く、追加費用が発生するケースは非常に多い。そのため、最低料金だけを見て業者を選ぶのは危険。「思ったより高くなった」というトラブルを避けるためにも、現地見積もりの金額が最低料金より大幅に上がる可能性があるという前提で予算を組んでおくほうが安全。
事前見積もりができる業者を選ぶべき理由
業者によって、事前に現地確認と見積もりができるところとできないところがある。
今回比較した中でも、事前現地確認ができる業者とできない業者がいた。
一方、事前に現地確認と見積もりを行ってくれる業者であれば、費用面の透明性という点でも安心感が違う。専用コンセントの増設工事を検討する際は、必ず事前見積もりができる業者を選ぶようにしたい。
エアコン工事費の内訳を確認しないと損をする
エアコンの購入を検討するとき、本体価格だけに目が行きがちだが、工事費の内訳をしっかり確認しないと、トータルコストで大きな差が出ることがある。
本体が安くても工事費が高ければ意味がない。逆に工事費が安く見えても、含まれていない項目があれば結果的に高くつく場合もある。購入前にトータルの費用を正確に把握することが重要だ。
取り外し工事費・リサイクル料・運搬費も工事費
すでにエアコンが設置されている場合、新しいエアコンを取り付けるだけでなく、既存エアコンの取り外し工事費も別途かかる。
さらに、不要になった古いエアコンの処分にはリサイクル料と運搬費用も必要だ。これらをすべて合算したものが実際の工事費となる。具体的には以下の費用が発生する可能性がある。
• 新しいエアコンの取り付け工事費
• 既存エアコンの取り外し工事費
• リサイクル料
• 不要エアコンの運搬費用
見積もりを取る際は、これらがすべて含まれたトータル金額で比較することが大切。
工事費はばらつきが大きいので複数社で比較する
エアコンの工事費は、業者によって価格のばらつきが非常に大きい。同じ内容の工事でも、業者が違えば数千円から数万円の差が出ることもある。
本体価格の安さだけで業者を決めるのではなく、工事費込みのトータル金額で複数社を比較することを強くすすめます。手間はかかるけれど、その分だけ節約できる金額も大きい。
ホームセンターのエアコンは家電量販店より安い
エアコンの購入先として、まず家電量販店を思い浮かべる人が多いはず。しかし実際に複数の店舗を見て回った結果、ホームセンターのほうが家電量販店より安いことがわかりました。
エアコンの購入を検討する際は、家電量販店だけでなく近隣のホームセンターも必ず確認することをすすめます。
楽天ポイント還元や長期保証もホームセンターで対応可能
「ホームセンターはポイントや保証が弱い」というイメージを持つ人もいるかもしれないが、実際には充実しているところも多い。
今回確認したユニディでは、工事費の半額分を楽天ポイントで還元するキャンペーンを実施しており、実質的な工事費が大幅に安くなるタイミングだった。また長期保証についても、有料の複数年のプランが用意されていた。(無料保証は範囲や経過年数により対象範囲が変わるので有料のほうが無難)
本体価格・工事費・ポイント還元・長期保証をトータルで比較すれば、ホームセンターは家電量販店に対して十分に競争力があると感じました。
街の電気屋はエアコン専用コンセントなしでも対応できる
家電量販店やホームセンターが専用コンセントなしの工事を断る一方で、街の電気屋(地域の電器店)は専用コンセントがない状態でも対応してくれるケースがある。
専用コンセントの問題で家電量販店やホームセンターでの購入を断念した場合は、地域の電器店に相談することを選択肢に入れてほしい。
複数の電器店に見積もりを依頼した結果、工事費込みの総額が、ホームセンターでコンセント増設工事を加えた場合とほぼ同等か、それより安く収まるケースもある。長期保証の選択肢も用意されている店舗もあるため、保証面での不安も解消しやすい。今回は工事費込みの総額がホームセンターでコンセント増設工事を加えた場合とほぼ同等、損保ワランティによる有料長期保証制度があり、10年プランへの加入ができたのが購入の決め手。
古い建物に住んでいて専用コンセントの増設が難しい場合は、まず街の電気屋に相談してみることをすすめます。
エアコン買い替え前に確認すべきチェックリスト
最後に、今回の経験をふまえたチェックリストをまとめてました。エアコンの買い替えを検討している方に。
【購入前に確認すること】
• 自宅にエアコン専用コンセントがあるか(私はエアコン横にコンセントがあったので専用コンセントだと思い込んでいた)
• 専用コンセントがない場合、増設工事費の事前見積もりができる業者か
• 既存エアコンの取り外し工事費・リサイクル料・運搬費が見積もりに含まれているか(新設ではなく既存エアコンの交換の場合)
• 工事費込みのトータル金額で複数社を比較しているか
• ホームセンターの価格も確認しているか
【エアコン選びで注意すること】
• お掃除機能はフィルターのみで、カビ臭さの防止にはならない
• 分解清掃を定期的に依頼する前提なら、お掃除機能なしのほうがランニングコストが圧倒的に安い
• 長期保証は有料加入を検討するほうが無難。エアコンは基本的に壊れにくい。しかし、ハズレ個体だと私のように数年おきに壊れ、壊れたときの修理費が大きいため。無料保証は経過年数で保証範囲が狭くなるのが一般的。
エアコンの買い替えは、本体価格だけでなく工事費や維持コストまで含めてトータルで考えることが重要。事前の情報収集と複数社への見積もりが、納得のいく買い物につながります。
【追記】なぜ2026年のいま、早めにエアコンを買い替えたのか。2027年エアコン問題と工事待ちの現実
修理しながら使い続けていたが、2027年問題で決断を早めた
現在使っているエアコンは、目立った故障や不具合の傾向が出ているわけではない。2025年にも修理を行っており、おそらく今年2026年もなんとか乗り越えられるのではないかとは思っていた。
ただ、問題は来年。
2027年には、いわゆる「2027年エアコン問題」が控えている。フロン排出抑制法の規制強化により、現行の冷媒を使ったエアコンの製造が制限され、新冷媒対応の機種に切り替わる過渡期にあたる。その影響で、2027年以降は今のような安価な機種が入手しにくくなると言われている。
もし来年まで様子を見て、壊れてから慌てて買い替えようとすると、安いエアコンがない状況でやむなく高い機種を選ぶことになりかねない。それならば、まだ選択肢がある2026年のうちに買い替えておくほうが無難だという結論に至る。
「6月でいいか」と思っていたら、工事のピークが早まっていた
買い替えを決めたとはいえ、最初は本格的に暑くなる前の6月ごろでいいかと、のんびり構えていた。急いで動く必要もないだろうと思っていた。
ところが、実際に複数の店舗を回って話を聞いてみると、今年は様子が違う。2027年エアコン問題の影響もあり、例年より早い段階から買い替え需要が高まっているというのだ。そのため、エアコン工事のピーク時期も例年より前倒しになっている傾向があると、複数の店舗スタッフから聞いた。
4月の段階ですでに2週間待ち。ゴールデンウィーク明けはさらに混む
今回購入を決めた電気屋さんに確認したところ、購入4月の時点ですでに工事まで2週間待ちの状態。さらに、ゴールデンウィークを過ぎると待ち時間はさらに増えていく見込みとのことだった。
「6月でいいか」などと悠長に構えていると、実際に工事してもらえるのは真夏になってからという事態も十分ありえる。暑さが本番になってからエアコン工事は、できれば避けたい。
そういった事情もあり、「早めに動いておいてよかった」というのが今回の率直な感想。エアコンの買い替えを検討しているなら、2027年エアコン問題の影響も念頭に置きつつ、工事の予約は早めのほうが良さそう。
参考 今まで使っていたエアコン
購入店:ヤマダ電機
設置日:2017/9/4
富士通 AS-R22G-W
67485円
エアコン標準工事
9515円
合計77000税抜き
合計83160税込み
お掃除機能付きエアコン本体が67485円というのは、今の価格を考えるとかなり安いのかも。

